桐蔭中等教育学校ラグビー部 初の全国大会予選出場!



エナメルバッグもファーストジャージも、今までの高校の白と紺を逆にしたものが「中等ラグビー部」のカラーです。

"TOIN GAKUEN S.S."の"S.S."とは、"Secondary School"の頭文字です。
 桐蔭中等教育学校は今年で4年目の新しい学校です。完全な中高一貫のカリキュラムで国立上位校への進学を目指しています。今年その1期生が4年生(つまり高1)になりましたが、既存の高校とは制度上全く別学校なために、高校と合同で部活動を行って大会に参加することはできません。
 中等4年は学年全体でも160人しか生徒がいませんが、私(彦由)と同じく中等に配属された加藤さんがラグビーの楽しさをアピールしたところ、25名ちかくの生徒が集まり、高校とは別組織の「中等ラグビー部」を発足しました。ほとんどが完全な無経験者であり、練習も高校ラグビー部とは別に行い、週4日平日のみという環境の中で、なんとか試合が出来るまでになってきました。まだ未熟なチームではありますが、高校生ラガーが目指す目標は当然「花園」です。いつの日か、桐蔭同士で県決勝を戦う日が来ることを信じて、(長い?)戦いが始まりました。桐蔭高校ラグビー部の兄弟チームとして、応援をお願いします。
 10/03(日) 11:00 (岡津高校G)
 桐蔭学園  0 − 96  湘 南

  
  平成16年度 第84回 全国高等学校ラグビーフットボール大会
  神奈川県予選 2回戦
  

  10月3日(日) 11:00 KO  於:岡津高校

      桐蔭中等  0 − 96  湘 南



 4月にラグビー部を立ち上げた時には、部員は中学からやっていた齋藤・石原・田中・都筑の4人だけ。彼らも本当に中等ラグビー部をやっていこうと思ってくれるだろうか。しかも164人しかいない学年で、他にラグビーに興味を持ってくれる人がいるだろうか。
 しかし初めて練習会に集まってくれた生徒は20人以上。それから何人か入退部があったりしながら、結局25人近くが集まった。
 桐蔭中等教育学校はとにかく勉強をしっかりさせて進学でよい結果を出すのが至上目標の学校であり、彼らはその1期生だ。毎週課題や居残り学習もあるし、「部活と学業の両立」というよりも「学業最優先」という雰囲気である。その中でラグビー部に集まったのは、「勉強だけで高校生活を送りたくない」「本格的な運動部に入りたかった」「思いっきり打ち込むものがほしい」「体を鍛えたい」などなど。今まで体育以外で運動をしたことがないというものもいる。
 先輩の全くいないオール1年生。加藤監督はOBに声をかけて手伝いに来てもらい、指導にあたってもらいながら、部員たちにラグビーの楽しさを伝えてもらった。練習は平日の4日間のみ。土日は練習試合などがない限り練習なし。どんなにラグビーで結果を出そうと、勉強をしていなければ存続が危うくなるのが中等ラグビー部だ。
 6月には大勢のOBに練習会を開いてもらい胸を借りたあとでセブンズ市民大会に参加。教育実習でやってきた早稲田の35期OB中崎にはずっと指導をしてもらった。夏合宿は高校の1年と一緒にたかつえ高原で汗を流した。どんどんラグビーにはまっていく生徒たちの姿があった。
 その後も希望ヶ丘、公文国際、川和、県横須賀高校と合同練習、練習試合を行い、相手の学校の上級生はみな、1年しかいない中等ラグビー部に優しい励ましの声をかけてくれた。34期OBの風岡をはじめ何人ものOBが何度も学校まできて指導にあたってくれた。

 そういった今までのことを全て背負い、全てをぶつける試合がやってきた。花園への県予選。どの学校も相手は2,3年生も多くいるはずで、その3年間をすべてぶつけてくる試合だ。当然ながら体も全くできていない中等の劣勢は明らか。それでも必死のプレーを続ければ奇跡は起こるかもしれないと、加藤さんは本当に信じていた。「俺が本気で信じてやれないでどうする」と。前日のミーティングが終わったあと、一番緊張しているように見えたのは、生徒というより加藤さんだ。

            * * * *

 試合は0−96。しかし生徒たちは必死にやっていた。いかんせんフィットネス不足と技術不足。ルールの理解も不十分で思い切ったプレーができていない。今までの練習はラグビーの楽しさを知るということが中心で、あまり「痛い」練習をしていない。この敗戦でラグビーが嫌いになってしまうか、それとももっと練習に励んで強くなりたいと彼らが言ってくるか。それがこのチームの大きな分かれ道。加藤さんは選手たちの自発的な気持ちが高まるのをずっと待ってきた。

 そもそも部活とは何なんだろう。ほどほどに体を動かしてストレスの発散でもできれば満足だろうか。それで負けた時に涙が浮かんでくるだろうか。泥臭いラグビーは今の高校生からはあまり人気がないとも聞く。でもここに集まった大勢の部員たちは、ラグビーの「熱さ」に魅力を感じている。大きな目標に向けて、必死の努力を大勢の仲間たちと続けることで、喜びも悲しみもつかむことができるのがラグビーだ。試合後にひとり誰もいない車の中で「ちくしょう、悔しいなあ」と叫んでいた加藤監督の声を聞いた部員はいないが、試合あけての練習にやってきた生徒たちは、さらに「ラグビーにハマった目」をしていた。他の部をやめてラグビー部の門をたたく生徒も現れた。来年、そして再来年とこのチームはどこまで伸びることができるか。100点ゲームの敗戦から始まったあの「スクールウォーズ」のように。(もっとも学校の様子は正反対だが...)。
 加藤監督とその生徒たちの戦いはまだ始まったばかりだ。

            * * * *

 こうして1年目の挑戦の終わった中等ラグビー部。一番の課題は技術指導の面でも、精神的な面でも「先輩」がいないということ。OBの方々の協力は非常に大きなものになります。どうぞよろしくお願いします。

出場メンバー
 1 1年 馬場博之 金野
 2 1年 大森裕貴 仲野
 3 1年 鳥山幸祐
 4 1年 林祥太
 5 1年 菅野雄紀 北川
 6 1年 井上恵介
 7 1年 加藤隆太郎
 8 1年 中村俊宏
 9 1年 田中尚樹
10 1年 石原賢人
11 1年 大矢和徳
12 1年 齋藤雄介
13 1年 波多腰寛輝
14 1年 都筑圭佑
15 1年 綾部慶太

リザーブ
16 1年 金野高広
17 1年 仲野大樹
18 1年 北川晴基



試合前日
加藤監督の苦労の末、なんとか作成にこじつけた中等のファーストジャージ。初めての授与式を講義室で行う。

PR馬場へジャージを渡す加藤監督。このジャージの重みを感じられるチームになってほしいと願いをこめて。 高校生ラガーにとって、花園予選とは何であるか。まだ1年生しかいないこのチームには、その意識付けからだ。



前 半
いよいよ試合開始が近づく

ひどい雨のため、アップは屋根の下の狭いスペースで。中央はFL北川 ジャージに袖を通し、NO8中村がFWの最後の打ち合わせ

キャプテン齋藤のかけ声にみんなで答える 選手たちのがんばりを固く信じて檄を飛ばす加藤監督



前 半

どろどろにぬかるんだグランドでPR鳥山とCTB齋藤の必死のタックル 左からPR馬場、LO林、PR鳥山、HO大森

気合いの入るHO大森 入部以来誰よりもラグビーにはまっている中村。どんどん上達し、念願のNO8の座をつかんだ。

ゴール前のモール。力勝負ではやはり苦戦は免れない。左端はLO菅野。 なんとか止めようとCTB波多腰とLO林

湘南はプレー全体を通じてよく気合いが入っていた 必死にしがみつくが...左はFB綾部

足の速いWTB都筑 トライをたたみかけられてもなんとか気持ちを高めようとする

カメラの得意なFL松本はビデオ撮影を任された 身体能力の高いFL井上

後 半

キャプテン齋藤とともにチームの柱SO石原 中村がサイドアタックを試みる

CTB齋藤とSO石原 4月の授業で「ラグビー部つくるぞ」と話したとき、すぐに「俺やります!」と答えたLO林。

WTB大矢。自分より大きな相手にもひるまずタックルするのがラグビーだ。 防戦一方だった前半に対し、後半いつくかチャンスもあったが..

齋藤、石原とともにチームを支えるSH田中 なかなか相手を止められない。激しいタックルができるようになるには、更なる練習が必要だ。

後半に変わって入ったPR金野と 負けん気の強いHO仲野

FL井上(奥)と加藤(手前) そしてノーサイドの笛はなった。



ノーサイドの後で
集合するメンバーたちに言葉はない

「お前たちは決して中途半端なプレーをしていたわけじゃない。むしろよくやったと思う。これが現時点の精一杯だろう。」 「でも結果は0−96。大事なのはこの「負け」をお前らがどう受け止めるかだ。悔しいという気持ちがなければチームは変われない。」

「俺は勝ちたい。ほんとうに勝ちたいよ。そのために明日からみんなで厳しい練習をして、次は絶対勝とう」と、赤い目で語るキャプテン齋藤。 トレーナーとして特別に来てもらったOBの石川さん。試合後にけがを診てもらい、非常に助かった。みんな体ができていない分、捻挫などのけがが多い。


( 写真は CANON EOS D30+EF300F2.8・EF35F2 )

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